陰陽の底から

社会不適合者のお気持ちブログ、たまに映画レビュー

【鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎】感想

前置きという名の自分語りからはじまってしまうが、

映画に限らず何かについて発信するときはそれに対しての距離や関係を

表明すべきだと思っている。しかしこれは自己満足の一環に過ぎないため

どうでもいい人は「どうでもいい」のサムネまで適当にスクロールしてください。

子供のころ自分にとってゲゲゲの鬼太郎は「なぜか常にある」作品だった。

漫画の何冊かと大海獣のVHSが気付いた時には家に置いてあったし

テレビではやたらジャジーなOPが特徴のアニメもやってた(五期らしい)

チ○ポだの○袋だの屁だの口臭だの満載なのになぜか学校にもあった

 

youtu.be

 

怪奇ホラーのオムニバスだったり、やたらボディホラーの描写が多かったり

妖怪を退治するヒーローだったり、鬼太郎そっちのけで妖怪VS妖怪だったり

イケメン風の男に嫉妬したり、ただただ怪物が遊んでいたり

社会風刺を含むブラックジョークだったりと

なんてことなく手に取れるのにめちゃくちゃ楽しめてしまう。

国民的とは言われないものの様々なメディアで常に

「あるところにはある」シリーズ、そんなイメージだった。

 

そんな自分だが2020年頃『目玉のおやじが超イケメンだったwww』

みたいな動画をツイッターで見たときはなんだかモヤモヤした。

(確かにかっこいいけどイケメン過ぎる)

大きな黒目、とがった眉毛、高い鼻、シャープなフェイスライン

反射的に(これはちょっと...)と思ってしまった。

いわゆるご長寿シリーズに「現代的解釈やアレンジ」があるのは理解している。

新規ファンを獲得し時代に適応するためのビジュアル変更もわかる。

 

でも自分にとって目玉のおやじの生前の姿はぐちゃどろのミイラ男なのだ。

「そうなる前でしょ...」と言われてもあまりに体格や顔つきが違いすぎる。

理屈ではないが異形キャラの正体を安易に美形にするのが受け付けない。

そんなイケメン目玉おやじの過去編を劇場版でやるらしい

しかもどこからか生えてきた人間のイケメンとバディ物....

(このときは墓場鬼太郎の水木だとは知らなかった)

あ、はいはいそういうマーケティングね。わかりました。

ポピーザパフォーマーでも忍たま乱太郎でも需要あるんだし

子供向け作品をそういう風に楽しむ方々が大勢いるのも知ってますから。

原作者の手を離れたコンテンツでCP推し映画ですか、知りませんけど。

「死人に口なし」とはよく言ったものですね。(感じの悪い文章)

 

 

ところが公開されてしばらくしてツイッターを見ていて

様々な二次創作を目にしたが、どれも「一線」を超えていない。

やおい好きのお姉様方が『この二人はセックス云々じゃない...!』と

ある所にはあるのかも知れないが、そう判断している様に感じた。

 

それぞれの指名を背負いあうバディ物に目がない自分はそこから

この映画は何かがある、そう思って見に行ったのでした...

 

youtu.be (前置きが長すぎる)

 

 

 

youtu.be

【鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎】

監督    古賀豪 脚本    吉野弘幸

原作    水木しげる

出演者    関俊彦 木内秀信 種﨑敦美 小林由美子 古川登志夫

    沢城みゆき 庄司宇芽香 野沢雅子

 

廃刊間近となっている雑誌記者の山田は、廃村となった哭倉村(なぐらむら)へやってきた。山田は、同じく村へやってきた鬼太郎、ねこ娘、目玉おやじと遭遇するが、引き返すようにという警告を無視して、鬼太郎たちに取材しようとつきまとう。しかし、鬼太郎たちを見失った山田は、穴の中へ落ちてしまう。

時は遡り、昭和31年(1956年)、当時の日本の政財界を牛耳っていた龍賀一族の当主、龍賀時貞が死去した。帝国血液銀行に勤める水木は龍賀一族の経営する製薬会社「龍賀製薬」の担当者であり、時貞の娘婿である社長の龍賀克典とは懇意にしていた。克典に自身の顔を売り出世の足掛かりとすべく、東京から龍賀一族が暮らす哭倉村へと向かう...

 

(鑑賞中の自分のイメージ)

素晴らしかったです、点数こそつけられませんが2024年最初の

鑑賞体験としてすごく満足いく映画でした。

ネタバレを可能な限り少なく、良かったところを書いていこうと思います。

 

PG12指定だけあるサスペンス&ホラー描写が満載で楽しく

激しい格闘シーンでの「人型の怪物」としての幽霊族の能力描写の数々が

見ていて夢中にさせられました。また、墓場鬼太郎ほど露悪的では

ないものの権力者に対する痛烈な視線やメッセージ。

昭和の時代を生かした主要人物たちの心理描写など

自分には大いに刺さる場面の連続でした!

 

ただの狂言回しかと思いきや、実にいい男でした

電車の中、子供の咳を聞いてタバコに火をつけられない男。信用できます。

「あんた、つまんねぇな!」「ツケは払わなきゃなぁ」

私の好きなセリフです。(シン・ウルトラマン山本耕史風に)

また、前置きの部分で気に入らないと思っていたイケメンおやじですが

 

最初は声にすこし違和感がありましたが、すぐ慣れました。

性格やたち振る舞いに若さを感じるキャラ造形に加え、やりすぎない

顔のデフォルメで(これはたしかに目玉のおやじの若い頃だな...!)

と違和感なく呑み込める塩梅に仕上がっており、そこも大満足でした。

タバコもおいしそうでしたね、水木のピースは両切りなので

マネしたいところですが喉がヒリヒリしそうです。

 

ネタばれこそ避けますがミイラ男じゃない問題もしっかりと

物語の展開として描かれており、主にそれ関連(血桜が舞うあたり)で

(つらい)

そして、現実の権力者を戯画化した様な底抜けのクズな敵キャラ達。

「因習村」のイメージから文化的な背景を感じ取ってる人が

多いように感じますが基本的には「金がほしい」「自分達だけ得をしたい」

といった理屈であの一家は動いているため、非常に現代的な悪だと思います。

検索したくないほどムカついたので画像はありません

ゲンも怒ってます、彼も下駄使いでしたね

そして物悲しいラストからここへつながるエンド...

あんなに鑑賞中楽しかったのに、どうしてこんなに悲しいんだ!(水木)

エンドロール中は画面左側を見る⇔めそめそ泣くの無限ループでした。

そして最後、雷鳴轟く中にタイトルロゴがバァーン!!!

泣いてたのに急にブチあがって情緒がパニックになりました。最高です。

あと思ったより場内の点灯が早く泣きやめなくて大変でした。

アニメーションは見やすく、アクションシーンの作画は素晴らしいです。

そして音楽、劇判が常にゴシックな雰囲気で臨場感もありました。

みなさんもぜひ映画館でご覧下さい、おススメです。

 

いい感じに締めれなそうなので五期のEDで終わりにします。

youtu.be

 

【追記】

なんだか傷が残ったような気分なので人類の叡智インターネットで

やさしい世界を読み漁ってます。みんなで見よう!

www.pixiv.net

 

おしまい